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カテゴリ:architecture column( 25 )


2016年 03月 14日

中古住宅インスペクション

平成25年の住宅土地統計調査では日本全体で空家が820万戸もあります。
そして空家は年々増加しております。

その対策の一つとして「中古住宅リフォームトータルプラン」として
新築中心の住宅市場からリフォームにより住宅ストックの品質・性能を高めて
中古住宅流通を促進させようと国土交通省が様々な施策を行っています。

その施策の中の一つに「既存住宅インスペクション・ガイドライン」というガイドラインが示されて
インスペクション(既存住宅現況検査)を適用した検査済み証を交付することで住まい手が安心して
中古住宅を購入できる仕組みをつくろうとしています。

先日、インスペクター養成講座という講習会に行ってきました。
インスペクターとは直訳すると調査人となりますが、インスペクション(既存住宅現況検査)の際に
現地を検査する者のことを言います。

今回のガイドライン対象の既存住宅インスペクションというのは
あくまでも中古住宅の流通を目的としているので住宅の現況を把握する基礎的な検査ということになり、
目視を中心に住宅の補修工事等の必要性を把握する為の一次診断になります。
人の体で言えば簡単な健康診断といったところでしょうか。

ですので診断結果はあくまでも推測になり、性能等を担保するものではありません。
中途半端な制度の様な気もしますが、健康診断同様、精密な検査をするにはコストも時間もかかります。

まずは中古住宅がどの様な状態にあるのかをおおまかに把握し
その後、詳細な劣化状況の把握や耐震診断、リフォーム工事に役立てたりとしていければ良いのではないでしょうか。

住宅においてもつくってこわすの繰り返しでなく、価値あるものをつくって、長く大切に使って、
そして価値を更新していく様な循環型の社会をつくっていきたいですね。
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by ie-sekkeikoubou | 2016-03-14 12:40 | architecture column
2015年 10月 16日

横浜でのマンションの傾きの問題

一昨日からニュースで大きく取り上げられておりますが、建築業界にまたもや大きな問題が起きました。

横浜市のマンションの杭工事の施工不良による傾きです。
ディベロッパーは業界最大手の一つで、それを施工した施工会社も杭工事を請け負った会社も大手です。

昨日のニュースの時点では数十本の杭のうち数本が支持地盤に届いていないことが分かって、調査を継続しているようです。

担当者レベルの話の様に報道されていましたが本当のところがどうかはわかりません。
しかし担当者一人が報告書を偽装していたとしても、それを見抜けなかったという問題の構造もあります。

建築、とくにマンション等の大きな物件にかかわるすべての業務はどんどんと細分化されてきています。
個人が行える業務の範囲には限りがありますので、建築の性能の向上、大型化、工業化等様々な要因によって業務が細分化されていくのは仕方がないと思います。

しかし、以前建築業界を揺るがした耐震偽装問題のときも感じたのですが、一つの建物を建築するという過程において、
もし、その一連の業務の中に一つの不正が起こなわれてしまった場合にそれをチェック、是正してエンドユーザーに届けるというシステムがこの業界で正しく機能してないと思います。

それはこの業界の構造の問題でもあると思いますが、その点を改善していくためには
業界全体、そして一人ひとりが意識してやっていくしかないのではないかとも思います。
まずは一人ひとりが出来ることをきちんとモラルをもって行うことが大事だと思います。


話は脱線してしまいましたが、住民の方の気持ちを考えますと
傾いているという現実がある以上毎日の不安はあるでしょうし
是正工事によって傾きを直せたとしてもいわくつき物件となってしまって資産価値が落ちるでしょう。
是正工事では納得されない方が多いのではないでしょうか。
そうすると建替えという話になるのでしょうか。

マンションを決める時に値段、立地等々の諸条件の他にブランドというものの影響力は大きいと思います。
だからこそこの問題が建築業界に与える影響ははかり知れないと思います。

今回の件において全国的に調査がされていくのではないかと思いますが
他に同様の物件が無いことを祈っています。
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by ie-sekkeikoubou | 2015-10-16 13:17 | architecture column
2015年 07月 27日

新国立競技場問題にひとこと

昨今話題になっています新国立競技場の問題について

まずはオリンピック自体のプレゼンテーションのあり方について少し問題があると思いますのでその点について

元々、東京オリンピックのプレゼンテーション時点ではお金を無駄にかけず既存施設を利用するという話や半径○○km以内のコンパクトなオリンピックを実現するという話だったと記憶しております。

しかし、いざ決定して蓋を開けてみればまったく違うことになっているように見えます。

サッカーのワールドカップ招致の時にカタールがエアコン付競技場と言ってた記憶もありますが、結局できないことをプレゼンテーションで言っておいてそれで開催が決まってから変更するというのであればプレゼンテーション時には何を言ってもいいのかという話になると思います。

これは結局そんなプレゼンテーションなど関係なく体裁を整えておけさえすればその他の部分で開催国が決まるということなんでしょうか。

なんとも寂しい話ですね。



話は変わって国立競技場の建設費の問題はの話です。

今回のコンペを開催したときにコストを加味したプランを提出するということがあったと先日安藤忠雄氏の会見で聞きましたが日本の今の建築業界の状況をふまえつつこれだけの巨大な建築物のコストをおおまかであれ見積もれる会社が日本に何社あるのでしょうか。

そして毎年メンテナンス費用も莫大な金額がかかる。。。

毎年の収支、建築物をつくってから解体までの収支 ライフサイクルコスト ライフサイクルCo2なども考えられているのでしょうか。

今後何も生み出さないものを多額の税金をつかってつくってしまって良いのでしょうか。

もちろん日本でオリンピックが開催されることはとても貴重な機会であり、とても楽しみであります。

ですが、ハード面の充実よりもソフト面の充実を考えないとすべては始まらないのではないでしょうか。
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by ie-sekkeikoubou | 2015-07-27 09:54 | architecture column
2015年 03月 17日

改修設計セミナー

昨日、日経アーキテクチュア主催の「資産価値を高める改修設計のテクニック」セミナーに行ってきました。
改修設計数多く手がけ、その道の第一人者である青木茂氏と事務所により様々な事例をもとに改修設計の実務的なコツを学ぶことが出来ました。

改修設計は一見簡単そうに見えますが、物件によっては関連法規がかわっていることにより今では成り立たない用途であったり、古い図面が無かったり、検査済み証を取得してなかったり、図面と実際が異なっていたり、また工事をはじめてから施工不良や劣化が見られたりと改修設計・工事にはとても多くの問題点が出てくることがあります。

また、建築基準法という法規自体が新築を前提に考えている様な部分もあると思いますので建築基準法にかかわる部分の調査折衝はかなり困難な作業になります。

ですので改修設計には時間も手間もかかりますが、改修することによって法規的構造的な面における建物の資産価値を高めて、なおかつ新築よりも低コストで(場合によっては逆に高くつく例もあるようです。)使用者がより快適に楽しく使用できるようになればとてもメリットのあるものになるのではないかと思います。
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by ie-sekkeikoubou | 2015-03-17 15:06 | architecture column
2014年 11月 22日

ジャパンホーム&ビルディングショー その2 ハニカムスクリーン

先週のジャパンホーム&ビルディングショー (住まいの建材・設備の展示会)の続きです。

前回の記事で書ききれなかったものを書いてみます。
それはハニカムスクリーンというものです。

住宅やその他の建築においても窓というのは風や光や景色を採り込んでくれるという長所はありますが
最近の高気密高断熱住宅においては窓は断熱において弱点になります。

特に日本のサッシ業界は断熱においては欧米各国に比べて整備が遅れていました。
最近では各メーカーの努力により断熱サッシが主流になりつつあるとは言え、
それでも断熱という点においては弱点なのは変わりません。

そこで以前計画しました住宅でもつかわせていただいたことがあるのですが
ハニカムスクリーンという窓につけるプリーツ状のスクリーンがあります。
これはどんなものかといいますと、閉じたときにプリーツ部分がハニカム状になり
内部に空気層が出来るため断熱効果があるというものです。

以前採用させていただいたときは種類も取扱いメーカーも少なかったのですが
今回の展示会で各社から色々な種類のハニカムスクリーンが出ておりました。

多くのメーカーから販売されることにより遮熱断熱性能、開け閉めの仕方、カラー等選択肢が
かなり増えたと思いますのでこれからも注視していきたいと思っております。
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by ie-sekkeikoubou | 2014-11-22 16:29 | architecture column
2014年 11月 14日

ジャパンホーム&ビルディングショー

今週、ジャパンホーム&ビルディングショー (住まいの建材・設備の展示会)へ行ってきました。
この展示会は毎年一回東京ビッグサイトで建築関係の実務者向けに新建材、新しい設備機器の展示、
ほかには実務に役立つセミナーなどが行われています。

今回、私が気になったものの1つ目は、木造住宅の金物メーカー各社が今まで以上に制震構造に
力を入れているということでした。
東日本大震災以降、耐震対策は常に注目され続けてきましたが、従来の耐震基準だけでなく
地震の揺れを制御する制震技術も日々びっくりするほど進化しています。
もちろん価格も少しづつですが下がってきているようですので今後想定されている
南海トラフ地震を考えると従来の耐震だけでなく制震、免震、減震等についてもより深く考えて
いくべきだと感じています。

2つ目は太陽光発電のシステムの進化でした。
太陽光発電のモジュールは種類や効率など日々進歩しています。
通常、太陽光発電を実際に設置した後は設置しっぱなしということが多いと思います。
ですので、そのうち1台のモジュールが壊れたり効率が悪くなってしまっても、直接その1台を
見つけるのはかなり大がかりなことになってしまうようです。
しかし今回見たシステムはモジュール単位で出力に問題のある箇所をすぐに発見することで
効率を高めることが出来る様です。
太陽光発電は設置時だけの話ではなく長年使っていくのでこういったシステムが必要ではないかと思います。

その他にも気になったことはたくさんあったのですが今日はこの辺で。
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by ie-sekkeikoubou | 2014-11-14 18:56 | architecture column
2010年 03月 19日

模型製作

現在、進行中のプロジェクトの模型をつくっています。

模型をつくる意味としては、

3次元の模型によって建築物の構想を練ったり、
2次元の図面を模型にすることで3次元として確認することであったり、
まどからの光の入り具合、ルーバーなどが方向によってどう見えるかを確認したりと
図面上では表現しにくい点を確認することにあります。

d0013873_1093653.jpg
建物を覆うルーバーを正面からみたところです。
内部の様子が見えます。










d0013873_1010025.jpg
同じルーバーを上からみたところです。
上下から見るとこのように内部が見えません。











もちろん模型をつかって話をすることによって
図面以上にイメージが共有しやすいというポイントもあります。
そして、模型には独特の雰囲気や匂いがあって、模型製作はとても楽しい作業です。
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by ie-sekkeikoubou | 2010-03-19 10:13 | architecture column
2010年 02月 18日

住宅にもエコポイント

様々なところで耳にする温室効果ガスの削減。
その対策の一つとしてエコポイントがありますね。一番身近なのは電化製品(テレビ、冷蔵庫、エアコン、リサイクルなど)で、昨年から始まりました。私も昨年購入したテレビ、冷蔵庫のエコポイント申請をついこの間やりました。面倒くさいと思いつつやってみたのですがインターネットで簡単に出来ました。

御存知の方もいると思いますが、住宅建築、リフォームの際、様々な省エネ設備をとりいれたり断熱効果のある仕様にすると「住宅版エコポイント」が貰えます。

対象は昨年末着工(リフォームは今年着工)した住宅です。環境対策である一方で景気対策でもある政府の方針です。

新築の場合は、30万ポイント(30万円)と高額ですが、省エネの認定基準が設けられていて第3者期間による適合証明が必要となりやや手間が掛かります。(ただその基準は厳しくはないので、エコを意識して取り組む姿勢が大事?)

リフォームの場合は分かりやすく、窓ガラスを断熱性のあるペアガラスに交換しただけでもポイントは付きます。何箇所か交換すれば数万ポイントが付きます。

ただ、ポイントや補助金などに目を奪われて実際の性能や全体コストへの意識が薄れてしまうと全く意味がありません。地域やロケーションなどよっては、自然通風により快適に暮らせたり、窓の位置や間取りの形状、自然光の採り入れ方によっても室内環境は変わります。必要ないのに断熱性能が高いものを使い逆にコストが高くなっていまう場合もでてくると思います。
住宅は高額なものですので新築やリフォームをしたいと思っている人が、「住宅にもエコポイントがある」ということが頭の片隅にあればいい程度だと個人的には思います。エコに対する意識を持っているということが一番大切なのかもしれませんね。
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by ie-sekkeikoubou | 2010-02-18 11:59 | architecture column
2009年 03月 23日

住宅瑕疵担保履行法

今年の10月以降に竣工する物件には瑕疵担保履行法という法律が
適用されるのをご存知ですか。

この法律は2000年に出来た住宅品質確保法で定められた瑕疵担保責任が、
その施工業者や販売会社が倒産してしまったときにでも
履行されるようにと出来た法律です。

適用されるのは集合住宅や兼用住宅も含む住宅ですが、
この法律がかかってくると、

注文住宅の場合、工事請負会社に
分譲住宅の場合、売主に
【資力確保の為の保険または供託金】が義務付けられます。

供託金とは10年以上2000万円以上の金額を法務局等に預けておくものですが
過去に引き渡した新築住宅の戸数に応じて供託金も上がっていくので
実際に多く使われるのは保険ということになるでしょう。

保険の場合、着工前に保険の申し込みをして、工事中には検査があり、
竣工後、保険証が発行されるという仕組みです。

保険会社によって保険料は異なりますが7万~10万円程かかりそうです。
負担するのが誰かというのは法律で明記されていないため、
保険に申し込みをするのは施工会社もしくは販売会社ですが、
通常は施主に請求となる形が多くなりそうです。

本日、この法律の講習会に行ってきましたが、まだまだ詳細まで決まっていない部分が
ありそうです。

設計事務所からすると、保険会社により、その設計施工基準が異なるため、
この会社の保険には入れるがこの会社の保険には入れないとか、
建築基準法以上の事が保険で要求されているように見え、
自由設計の妨げになるのではと思う部分です。

最近の建築にまつわる法改正では常に色々と問題が出てきましたが
また問題が出てくるように思えてなりません。
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by ie-sekkeikoubou | 2009-03-23 16:18 | architecture column
2009年 02月 24日

管理建築士講習会

先日、財団法人建築技術普及センターが主催する管理建築士講習に行ってきました。
この講習はいわゆる「耐震偽装問題」からの様々な建築業界の問題に対する法改正、
見直し制度の一環として建築士法が改正され、
「管理建築士」というものの要件が強化された為に行われた講習です。

「管理建築士」とは各建築士事務所に必ず一人は置かなくてはならない存在で、
今までは建築士であればなることが出来たのですが、
改正により建築士として3年以上の設計等の業務に従事した後、
講習を修了した建築士でなければならないとされました。
同様に建築士事務所に在籍する建築士も3年毎に更新という制度に変わりました。

しかし、他の多岐にわたる制度改正によって様々な制度が変わったからといって
すぐに建築業界が社会の信頼を回復できるとは思いません。

社会の信頼を裏切るような建築士による社会の混乱や、
景気悪化による建築・不動産業界の不況や、
建築技術の高度化による作業の複合化、分業化や、建築のエコロジー等、
常に市況に目をむけ、旧態依然としていた業界の体質を改善し、
社会の信頼を早く取り戻さなければならないと感じています。
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by ie-sekkeikoubou | 2009-02-24 10:07 | architecture column