平成25年の住宅土地統計調査では日本全体で空家が820万戸もあります。
そして空家は年々増加しております。
その対策の一つとして「中古住宅リフォームトータルプラン」として
新築中心の住宅市場からリフォームにより住宅ストックの品質・性能を高めて
中古住宅流通を促進させようと国土交通省が様々な施策を行っています。
その施策の中の一つに「既存住宅インスペクション・ガイドライン」というガイドラインが示されて
インスペクション(既存住宅現況検査)を適用した検査済み証を交付することで住まい手が安心して
中古住宅を購入できる仕組みをつくろうとしています。
先日、インスペクター養成講座という講習会に行ってきました。
インスペクターとは直訳すると調査人となりますが、インスペクション(既存住宅現況検査)の際に
現地を検査する者のことを言います。
今回のガイドライン対象の既存住宅インスペクションというのは
あくまでも中古住宅の流通を目的としているので住宅の現況を把握する基礎的な検査ということになり、
目視を中心に住宅の補修工事等の必要性を把握する為の一次診断になります。
人の体で言えば簡単な健康診断といったところでしょうか。
ですので診断結果はあくまでも推測になり、性能等を担保するものではありません。
中途半端な制度の様な気もしますが、健康診断同様、精密な検査をするにはコストも時間もかかります。
まずは中古住宅がどの様な状態にあるのかをおおまかに把握し
その後、詳細な劣化状況の把握や耐震診断、リフォーム工事に役立てたりとしていければ良いのではないでしょうか。
住宅においてもつくってこわすの繰り返しでなく、価値あるものをつくって、長く大切に使って、
そして価値を更新していく様な循環型の社会をつくっていきたいですね。